AI・IoT

ネットワーク型システム発明

☆ ネットワーク型システム発明には、厄介な問題点がある

 ネットワーク型システムは、IoT(Internet of Things)やクラウドシステムのような、複数のコンピュータ等を通信回線で繋いだシステムです。ネットワーク型システム発明には、複数主体問題、域外適用問題、「業として」問題があります。ネットワーク型システム発明が複数の者(事業者、エンドユーザ)によって実施されたり、一部の構成要件が国外で実施されたり、個人的な目的で実施されたりすると、特許権を行使することができない可能性があるのです。



☆ 問題点およびその対応策ならびに案件の事情を踏まえる

 ネットワーク型システム発明の技術そのものは、ある程度コンピュータに詳しい人であれば、そんなに難しくありません。しかし、行使しやすい特許権を取得するには、上記の問題点および対応策を理解した上で、案件ごとの事情に鑑みながら特許明細書を作成することが必要です。







AI(Artificial Intelligence)関連発明


☆ 基本的な考え方は、コンピュータ・ソフトウェア関連発明と同じ

 「AI」と言えば、一般に、人間と同等の知的能力を発揮するアンドロイド(人造人間)のようにイメージされることがあります。しかし、実際はソフトウェアでコンピュータを制御することによって実現されるものです。
 したがって、AI関連発明は、基本的に従来のコンピュータ・ソフトウェア関連発明と同じです。また、コンピュータ・ソフトウェア関連発明は、他の分野(機械、電気、構造物、化学、…)の発明と同様、ある課題を解決するための技術的手段です。
 したがって、AI関連発明も、他の分野の発明と同様、ある課題を解決するための技術的手段の1つであり、権利化の実務における考え方も基本的に変わりません。


☆ AI分野の特有の課題に着目する

 しかし、AI分野には、特有の課題があります。特有の課題を意識しながら発明の課題を把握し、その解決手段を抽出することが、価値のある特許権の取得の第一歩です。

AI分野の特有の主な課題

・学習データの数が足りない
・学習に時間が掛かりすぎる
・推論の精度が低い
・推論に時間が掛かりすぎる
・AIを使って○○の業務を効率化したい
・AIを使って○○を生成したい

 

☆ ネットワーク型システム発明の特有の問題点に留意する

 AI関連発明は、複数のコンピュータ等を通信回線で繋いだシステム(ネットワーク型システム)において実現されることがあります。ネットワーク型システムの発明には、上述のように、複数主体問題、域外適用問題、「業として」問題があります。
 したがって、AI関連発明の権利化に際して、これらの問題点に留意する必要があります。